給与の見方
求人に書かれた給与や、給与明細の見方をまとめました。月給の中身、手当、賞与、手取りの考え方と、求人を比べるときの注意です。
給与の中身(基本給と手当)
月給は、基本給といろいろな手当を足したものです。求人の「月給〇〇円」が、どの手当まで含んだ額なのかを確かめることが大切です。
基本給
給与のもとになる部分です。賞与(ボーナス)や退職金を、基本給をもとに計算する事業所が多いので、月給が同じでも、基本給が高いか手当が多いかで、賞与や退職金が変わることがあります。
主な手当
- 資格手当
- 介護福祉士・社会福祉士・保育士など、決められた資格を持っている人に出る手当です。どの資格が対象かは事業所で違います。
- 役職手当・職務手当
- リーダー・主任・サービス管理責任者など、役割に応じて出る手当です。
- 夜勤手当
- 夜勤をしたときに1回ごとに出ることが多い手当です。くわしくは下の「夜勤手当」を見てください。
- 処遇改善の手当
- 国の処遇改善の加算をもとに、職員の賃金を上げるための手当です。くわしくは下の「処遇改善の手当」を見てください。
- 通勤手当(交通費)
- 通勤にかかる費用の手当です。上限があることや、車・自転車の通勤のときの決まりがあることもあります。
- 住宅手当・家族手当
- 家賃を払っている人や、扶養する家族がいる人に出る手当です。ない事業所もあります。
- 時間外手当(残業代)
- 決められた時間を超えて働いたときの賃金です。法律で決まった割増があります。
処遇改善の手当
障害福祉・介護のサービスには、職員の賃金を上げるための処遇改善の加算という国の仕組みがあります。加算を受けている事業所は、その分を職員の賃金の改善にあてることになっています。
ただし、どのように配るかは事業所ごとに違います。たとえば、次のような形があります。
- 毎月の手当として出す
- 基本給に含めて上げる
- 賞与・一時金として年に何回かまとめて出す
- これらを組み合わせる
また、職種や勤め方によって、配る額が違うこともあります。面接などで「処遇改善の分は、どのような形で、いつ支給されますか」「求人の月給に含まれていますか」と聞いておくと安心です。
夜勤手当と残業代
夜勤手当
- 午後10時から午前5時までの間に働いた分には、法律で深夜の割増賃金を払うことになっています。夜勤手当がこの割増を含んだものか、別に払われるのかを確かめましょう。
- 月給の例に、夜勤を何回した場合の額が含まれているかを確かめましょう。夜勤の回数で月給は大きく変わります。
- グループホームなどの「宿直」(寝ている時間がある勤務)は、夜勤とは扱いが違うことがあります。
残業代(時間外手当)
- 法律で決まった労働時間を超えて働いたときは、割増した賃金が払われることになっています。
- 「固定残業代(みなし残業代)」として、決まった時間分の残業代を月給に含めている求人もあります。何時間分でいくらかが分けて書かれているかを確かめましょう。その時間を超えて働いた分は、別に払われることになっています。
- 記録・会議・研修・送迎の準備などの時間が、働いた時間に入るかも確かめておくと安心です。
賞与(ボーナス)
- 賞与は、出すかどうか・いくら出すかを事業所が決めます。法律で必ず払うことになっているものではありません。
- 求人の「賞与 年2回・〇か月分」は、何をもとにした「〇か月分」か(基本給か、手当を含むか)を確かめましょう。
- 「前年度実績」は、去年の実績です。今年も同じ額が出るとはかぎりません。
- 入ったばかりのときは、支給の対象になる期間が短く、満額にならないことがよくあります。
月給と年収
年収のおおまかな考え方
年収 = 月給 × 12か月 + 賞与 + そのほかの一時金
月給が高くても賞与がない、月給は低めでも賞与や処遇改善の一時金が多い、という場合があります。年収で比べると分かりやすくなります。求人の「年収例」は、夜勤の回数・残業・役職などの条件つきのことが多いので、その条件も確かめましょう。
時給・日給の仕事では、「時給 × 働く時間」で考えます。最低賃金は都道府県ごとに決まっていて、月給の人も、時給に直したときにこれを下回ってはいけないことになっています。
手取りの考え方
給与明細では、支給の合計(総支給額)から、社会保険料と税金が引かれて、残りが口座に振りこまれる手取りになります。手取りは、総支給額よりかなり少なくなります。
給与から引かれる主なもの
- 健康保険料
- 病気やけがのときの医療費などのための保険料です。
- 介護保険料
- 40歳から64歳までの方は、健康保険料と一緒に引かれます(65歳からは別の方法で納めます)。
- 厚生年金保険料
- 将来の年金などのための保険料です。
- 雇用保険料
- 仕事を失ったときの給付などのための保険料です。
- 所得税
- その月の給与などから計算して引かれ、年末調整で1年分を調整します。
- 住民税
- 前の年の所得をもとに計算されます。働きはじめた最初の年は、給与から引かれないこともあります。
- 社会保険(健康保険・厚生年金)に入るかどうかは、働く時間や事業所の規模などの条件で決まります。パートの方は、入るかどうかで手取りが変わります。
- 社会保険料を払うと手取りは減りますが、病気で休んだときの給付や、将来の年金が手厚くなるなどの面もあります。
- 保険料率や税額は、地域・年齢・家族・年によって変わります。くわしくは、勤め先や年金事務所・税務署・市区町村に確かめてください。
求人を比べるときの注意
- 「月給〇〇円〜〇〇円」と幅があるときは、自分の経験・資格だと、どのあたりになるかを聞く。
- 月給に、処遇改善の手当・夜勤手当・固定残業代が含まれているかを確かめる。
- 試用期間がある場合、その間の給与や条件が違わないかを確かめる。
- 賞与・昇給は「あり」だけでなく、去年の実績を聞く。
- 年間の休日の数と、1日の働く時間も見る。休みが少なければ、時給に直すと低くなることがある。
- 交通費・退職金・資格を取るための支援なども、長く働くと差になる。
- 最後は、労働条件通知書(書面)で確かめてから入る。
書面で確かめることは 労働条件通知書のチェックポイント にまとめています。
このページは一般的な目安です。法律や制度は改正されることがあり、事業所や自治体によって扱いが違うこともあります。くわしいことは、応募先・勤め先や、ハローワーク・労働基準監督署などの窓口で確かめてください。
