退職・転職の手続きの手引き
仕事をやめるとき・転職するときの、伝え方・引き継ぎ・書類・保険と年金・失業給付の手続きをまとめました。
やめると決める前に
- 就業規則で、退職の申し出の時期・方法を確かめる(「〇か月前までに」「退職届を出す」など)。
- 次の仕事をいつから始めるか。間を空けずに移るか、少し休むかで、保険・年金の手続きが変わります。
- 残っている年次有給休暇の日数。
- 賞与の支給日や、支給の対象になる条件(支給日に在籍していることが条件のこともあります)。
- 悩みが職場の人間関係や働き方のことなら、やめる前に、上司や事業所の相談窓口に相談してみるのも一つの方法です。
退職の伝え方とタイミング
伝える順番
- まず、直属の上司に、直接(会って)伝えます。同僚に先に話すのは避けます。
- 退職の日を相談して決めます。
- 就業規則で決まった方法で、退職届(退職願)を出します。
- 利用者・ご家族・関係機関に伝える時期と方法は、事業所と相談して決めます。
いつまでに伝えるか
- 法律(民法)では、期間の定めのない雇用(いわゆる正社員など)は、やめると申し出てから2週間たつと終わるとされています。
- ただし、就業規則で「1か月前までに」などと決めている事業所も多くあります。福祉の仕事はシフトや利用者の支援の引き継ぎがあるので、就業規則を確かめ、できるだけ早めに相談しましょう。
- 期間の定めのある契約(契約社員・パートなど)で、契約の途中でやめるときは、決まりが違います。契約書を確かめて、早めに相談してください。契約の終わりでやめるときも、更新しないことを早めに伝えます。
伝えるときのポイント
- 理由は「一身上の都合」でかまいません。聞かれたら、職場の不満ではなく、次にしたいことを中心に話します。
- 引き止められても、決めたことなら、はっきりと伝えます。
- 「退職願」は「やめたいとお願いする」書類、「退職届」は「やめることを届け出る」書類です。どちらを出すかは、事業所の決まりに従います。
引き継ぎと最後の日まで
- 担当していた利用者ごとに、支援で気をつけていること・最近の様子・進めていることを、書面にまとめて引き継ぎます。
- 記録や書類の置き場所、関係機関の連絡先、期限のある手続きを一覧にします。
- 後任の人と一緒に支援に入れるときは、利用者に紹介し、やり方を実際に見てもらいます。
- 残っている年次有給休暇は、退職日までに使うことができます。引き継ぎの予定と合わせて、早めに相談しましょう。
- 利用者の個人情報や、事業所の書類・データは持ち出しません。やめたあとも、仕事で知った秘密は守ります。
- お世話になった方へのあいさつは、事業所のやり方に合わせます。
受け取る書類・返すもの
離職票(雇用保険被保険者離職票)
失業給付(雇用保険の基本手当)の手続きに使います。次の仕事が決まっていない方は、出してもらうよう勤め先に伝えておきましょう。やめたあと、少したってから届くのがふつうです。
源泉徴収票
その年に払われた給与と、引かれた所得税が書かれています。次の勤め先での年末調整や、確定申告に使います。
雇用保険の被保険者番号が分かるもの(雇用保険被保険者証 など)
次の勤め先で雇用保険に入る手続きに使います。勤め先が保管していることもあるので、確かめましょう。
基礎年金番号が分かるもの(年金手帳・基礎年金番号通知書 など)
年金の手続きに使います。勤め先に預けていたら、返してもらいます。
健康保険の資格喪失証明書
国民健康保険に入るときや、家族の健康保険の扶養に入るときに求められることがあります。必要なら勤め先に頼みます。
退職証明書
勤めていた期間・仕事の内容・やめた理由などを証明する書類です。働いていた人が求めたときは、出すことが労働基準法で決まっています。次の勤め先から求められたときなどに頼みます。
返すもの
- 健康保険の保険証・資格確認書など(受け取っている場合)
- 制服・名札・職員証・鍵・車の鍵
- 仕事で使っていた書類・記録・データ(利用者の個人情報は持ち出さない)
- 事業所から借りていたもの(携帯電話・パソコン・本など)
書類が届かないときは、まず前の勤め先に問い合わせましょう。離職票については、ハローワークにも相談できます。
健康保険の切り替え
勤め先の健康保険は、やめた日の次の日から使えなくなります。間を空けずに次の勤め先に入るときは、次の勤め先で手続きをします。間が空くときは、次のどれかを選んで、自分で手続きします。
今の健康保険を続ける(任意継続)
やめたあとも、一定の期間、それまでの健康保険に入り続ける方法です。保険料は自分で払います。入れる条件と、申し込みの期限があり、期限は短いので、早めに健康保険の窓口(協会けんぽ・健康保険組合など)に確かめましょう。
国民健康保険に入る
住んでいる市区町村の窓口で手続きします。保険料は、前の年の所得などで決まります。やめた理由によっては、保険料が軽くなる仕組みもあるので、窓口で聞いてみましょう。
家族の健康保険の扶養に入る
収入などの条件を満たせば、家族が入っている健康保険の扶養に入れます。手続きは家族の勤め先を通じて行います。失業給付を受けると、条件を満たさなくなることがあります。
どれがよいかは、保険料や条件で違います。それぞれの窓口で保険料のめやすを聞いて比べましょう。
年金の切り替え
- 間を空けずに次の勤め先で厚生年金に入るときは、勤め先が手続きをします。
- 間が空くときで、20歳以上60歳未満の方は、国民年金に入る手続きを、住んでいる市区町村の窓口でします。
- 会社員・公務員の配偶者の扶養に入る(条件を満たす)ときは、配偶者の勤め先を通じて手続きします。
- 仕事をやめて保険料を払うのが難しいときは、保険料の免除・納付の猶予の制度があります。市区町村の窓口や年金事務所に相談しましょう。
住民税・確定申告
- 給与から引かれていた住民税は、やめたあとは、市区町村から届く納付書で自分で納める形に切り替わることがあります。やめる時期によっては、残りの分を最後の給与からまとめて引くこともあります。
- 年の途中でやめて、その年のうちに次の勤め先に入らなかったときは、確定申告をすると、所得税が戻ってくることがあります。源泉徴収票を保管しておきましょう。
- 次の勤め先に入るときは、前の勤め先の源泉徴収票を出して、年末調整をしてもらいます。
失業給付の手続き(ハローワーク)
雇用保険に入っていた方は、やめたあと、次の仕事を探している間に、失業給付(雇用保険の基本手当)を受けられることがあります。手続きは、住んでいる地域を受け持つハローワークでします。
- 前の勤め先から離職票を受け取る。
- ハローワークで、仕事を探す申し込み(求職の申込み)をして、離職票などを出す。
- 説明会や、決まった日の失業の認定を受けながら、仕事を探す。
- 受けられるかどうか、受けられる日数・額は、雇用保険に入っていた期間・年齢・やめた理由などで違います。
- 自分の都合でやめたときは、会社の都合でやめたときと比べて、給付が始まるまでの期間が長くなることがあります。
- 離職票に書かれた「やめた理由」が事実と違うと思うときは、ハローワークに申し出ることができます。
- 早く次の仕事が決まったときに受けられる手当や、仕事を探しながら受けられる職業訓練もあります。
- 持ち物や手続きの流れは、ハローワークのホームページや窓口で確かめてください。
困ったときの相談先
- やめさせてもらえない、最後の給与が払われない、などの困りごと:総合労働相談コーナー(各都道府県の労働局・労働基準監督署など)、労働基準監督署
- 離職票・失業給付のこと:ハローワーク
- 健康保険・国民年金のこと:市区町村の窓口、年金事務所、加入していた健康保険の窓口
次の職場を探すときは、求人を探す や 履歴書・職務経歴書の書き方 も使ってください。
このページは一般的な目安です。法律や制度は改正されることがあり、事業所や自治体によって扱いが違うこともあります。くわしいことは、応募先・勤め先や、ハローワーク・労働基準監督署などの窓口で確かめてください。
